起・承・転・結 Self Novel
「男と女」をテーマにしたNovel Blogです。日常のどこにでもありそうな「等身大」をテーマにした老若男女が織りなすドラマをオリジナル小説で。

等身大の影 vol.4

・・・・バックの中、ほのかに光る携帯の液晶に表示されたのは、番号だけ。
しかしそれは、はっきりと見覚えのある番号だった・・・・。

あの上司の電話番号。登録からは消されたデーター、しかしハッキリと覚えている番号。
掛かってくるのを待つ事が多かった番号。こちらからは掛けない番号。
でも、ハッキリと覚えていた。
ブルブル・・ブルブル・・・
(まるで私の胸が震えているような) 

その日を境に千秋と哲平は職場でも良く話すようになり、以前にも増して二人はお互いの事を身近に感じるようになっていった。
そしてあの上司からの電話の事も忘れていた。

・・・・そしてクリスマス。
千秋の希望で二人は地元の海辺に出かけた。
そこにはイルミネーションのオブジェがバックの砂の山に「光の芸術」を造りだしていた。
二人はその壮大さに会話も忘れ見とれていた。
 車を降り歩き出す二人。
「きれい・・」「すげー・・・」
並んで歩いていた。手をつなぐのも自然だった。
しばらく見とれていた千秋は背後に哲平を感じていた。
ギュっと突然後ろから抱きしめられた。「・・哲平クン」「しーっ、黙ってこのまま」
あったかかった。哲平のぬくもりを首に感じていた。哲平の大きな体で包み込まれ
この時間がずっと続くような、いや続けばいいなと千秋は思った。
 そのうち哲平の手が肩を抱き、そしてキスをした。それはすごく自然だった。
哲平との初めてのキス。それはホッとするような、ぬくもりのあるキスだった。
「哲平クン・・あたし・・」と言おうとすると人差し指で口をふさがれた。
「こういう時って、男の方が先に話し出すもんだよ」と笑って言う哲平。
「初めて会った時から、こうなるような予感があったんだ、俺」
「ねぇ、前にも言ってたけど、哲平クンの夢って何?」
「それはもう少し俺を知ってもらってから・・・という事で」と言うか言わない
かの間をおいて哲平は唇を合わせてきた。
少し見上げる感じで、初めてこんなに近くで哲平を見た。
まつげが案外長いんだ。と妙に感心してクスっと笑うと「何?なんかおかしい?」
「ううん、哲平クンって背が高いんだなと思って」
「なんだ、それ・・ハハ」
哲平は笑った後急に真面目な顔になり「千秋さん、マジで俺と付き合ってほしいんだ」
「返事はさっきのキス・・・のつもり」

優しく肩を抱かれ、月明かりの下、暗闇に浮かぶイルミネーションをいつまでも二人で見ていたいと千秋は思った。

年末は宅配業界はかき入れ時で、皮肉にもクリスマスを境に哲平とはゆっくりと話す暇もないほどあわただしかった。
正月も休日返上で出勤し、哲平はシフトも変則的で、気がつけば1月も半ばだった。

迫るイベントはバレンタイン。付き合い始めての最初の「恋人達のイベント」だった。

テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

コメント

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

プロフィール

天空のロズウェル

Author:天空のロズウェル
「等身大」な男と女をテーマにしたオリジナル小説の世界へようこそ!
  ランキング参加してます。ヨロシク!
       ↓
にほんブログ村 小説ブログへ

最近の記事

カテゴリー

最近のコメント

最近のトラックバック

最近のエントリ

ブログランキング

FC2カウンター

月別アーカイブ

QRコード

QRコード

あし@

リンク

ブログ内検索

RSSフィード

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム